猪名川 彼岸花 
 彼岸花は茎がポキンと折れる。学校の帰り道、秋の夕暮れに、これをなで切りして、平家の残党狩りをしたような弱いものいじめをしたような罪悪感を覚えた。
田んぼの畦に赤い花が並ぶ様を見ることは稀になった。畦にこの球根を植えると、毒があるので、ミミズが住まない、そうするとモグラ、ネズミがいなくなる。彼らによって畦に穴が開くと水田の維持が難しくなる。球根は年々増えていく。花は畦の草刈りをして日が当たらないと咲かないそうだ。休耕田だらけでは、咲けないままでいると言うことだ。