ゴールドコーストの浜辺
 これを描いて街を歩くとほとんど同じ構図の油絵が売ってあった。もちろん、私の方が下手だが、サーファーしか入れない荒波と雨上がりの蒸気をかぶりながら、ゴッドファーザーを思わせる杖の老人が、じっと海を眺め続けていた。私にしては、いつになく絵に集中できたのは、その老人に見とれていたからかもしれない。