曇天の眉山
 徳島は橋ができて、兵庫県と陸続きの隣県となった。橋ができるまでは行きにくいところだった。明治の初めには、蜂須賀の城下町は人口6万人ながら全国10番目の大都市だったという。276メートルの山上で、雨を気にしながら吉野川、新町川が徳島港で出会う当たりを描いて、スケッチを乾かす間、たらいうどんを呑み込んだ。この町には、私も私の親族も、感慨がある。街や景色にはみんな何かこめられているのでしょう。