【西安 含光門】
唐の都、長安の明代からの呼び名である。唐代からの古い城壁の下。城壁の上は二車線ほどもある。そこをほとんど人とあわず街を眺めながら、霧の中をしばらく走ることができた。皇帝のランニングを経験した。
この高い城壁。日本の遣唐使、シルクロードの出発点、仏教の伝来、三蔵法師の大旅行、アフガンの仏教遺跡にみられるギリシャとおなじ形の柱が時代を下って法隆寺に、アレキサンダーがもたらした東西文化の融合、アレキサンドリアがアフガンなまりでカンダハール、明、清、さきごろ亡くなった張学良が仕掛けた西安事件、社会主義中国の文化大革命までいろんな権力、攻防がここを行き交ったのだと思う。塩吹く煉瓦の一枚一枚が生きている。平成13年9月。