【札幌 豊平川】
札幌は愚妻が大学に通った地。東西南北何十条という碁盤の目のような街。
鮭ものぼる豊平川。街中なのに流れが思いのほか速く、薄い緑色で水量もある。5月遠くの山が白い。なるほど雪解け水が草木の汁を吸い込んだかと合点がいった。
街や山はこの時期、雪解け直後。もの皆、芽吹く前の土化粧でヒグマの背のように茶色がかって美しくない。そのかわり短い夏は命があふれかえる。その直前。
手前の木の名は忘れたが、この時期この手の木ばかりが若々しい。
こいつも一本いれておけと急いで描こうとして、短気の虫が沸いてきた。それで黒で影を一挙に描いてしまった。わたしはこれをくやんで短木と名づけている。この絵にある教会に縁のある方にお会いして差し上げた。